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コラム おしゃべりコーナー - バックナンバー  

No.92 夏休み(ハラハラ・ドキドキ体験記)

広 [2003/07/31]

 今年は五週間の夏休みがあるので三週間ほどいっしょにどう?と云うので娘の夏休みにあわせ少し早い休みをオランダとイタリアで過ごしてきました。
 アムステルダムに住んでいる娘のところへ旅立ったのが6月26日。二日間家でブラブラし、三日目に一週間の予定でイタリアへ。8時30分、スキポールからミラノへ飛んだ。
 初めてのイタリア行きでウキウキしている私にトツゼンの悪夢がミラノ空港で起きた。スキポールで預けたスーツケース二個がいくら待っても出てこない。同じ機で降りた他の人達が皆いなくなって、からっぽのターンテーブルが廻っている。“ガーン”この日は夕方6時30分からローマのオペラ座でオペラを見ることになっていた。予定通りならミラノから電車でローマへ行き、ホテルで着替えて、充分オペラに間に合う予定を組んでいた。(私がイタリアの電車に乗ってみたかったので、わざわざミラノまでのフライトにしたのに)

 娘は空港の係員と、どうして我々のスーツケースが出てこないのか?どこへ行ってしまったのか?とか今後の旅程や宿泊ホテルなどを話し、いつスーツケースは我々の手元に届くのか?と延々としゃべっている。私はただボーゼンと娘のそばに立ち、交渉の成り行きをみているだけ。
 Last baggage のため大幅に時間をロスしてしまい、ミラノから電車でローマまで(4時間30分)行っている余裕はないと判断した娘は、私に上の出発ロビーのアリタリア航空の窓口へ行って、次のローマ行きは何時か、料金はいくらか、聞いて二人分のチケットを買って来るように言う。初めてで右も左もわからない空港で、ここで娘と別行動すれば迷子になってしまいそうで、どうしよう…と考えていると、早く!!早く!!なにモタモタしているの!!と叱られ、本当のことも言えず、だってイタリア語出来ないもん、と言った。イタリア語が出来なければ英語でも日本語でも何でもいいの!!とにかく早くチケットを買って来て!!と私をせかせる。恐る恐る娘の側を離れ、一人で出発ロビーへ。大勢の人が行き交う中を心細く歩き、アリタリア航空の窓口をみつけた。Excuse me. I’d like to go to Roma. Next fright,what time?と中三以下の英語で何とか通じ、料金を聞き、二人分のチケットを買うことが出来た。
 迷子にもならず娘のところに戻ると、スーツケースは明日、ローマのホテルに届けると云うことで一件落着。二人でホッとしてローマ行きのチェックインが始まるまで少し時間があったので、カッカした頭を冷やすため、coffee time。その時、娘が日本人とちがいヨーロッパの人の明日は信じられない、いつになるか判らない、と言った。オランダ人だって明日と云っても4〜5日はかかる。ましてイタリア人だったらもっとかかると。でも私は航空会社の人が言うのなら大丈夫でしょ、と思っていた。

 15時20分ころローマのテルミニ駅まで来た。オペラを見るのがこの日の目的だったので、私はワンピースを着て、ヒールの高い靴をはき、小さめのバッグを持っていた。娘はホテルで着がえるつもりで、Tシャツとジーンズ姿。着がえの服やバッグはスーツケースの中。ローマについて早速娘の服、バッグetc、を買うため、街中をガイドブック片手にキョロキョロ、ウロウロ。それらしい店に入り、こちらの要望を伝えると、美しい店員が服、ショール、バッグといろいろ出してき、あれやこれやと試着し、娘に合うものを揃えてくれた。
 オペラもネットで予約したので、開演1時間前迄にネットで送られて来た予約券と入場券を引き換えに行かなければいけないと云う。急いでオペラ座へ。入場券を手にして着替えの為、タクシーでホテルへ。ホテルのフロントにlost baggageの一件を伝え、明日スーツケースが届くからと話すと、フロントの人は皆さん、お気の毒にと云う顔で、両手を軽く上にあげ、明日?フゥーン。と云うような軽い動作をした。私はこの動作が気になった。急いで着替えをしタクシーでオペラ座へ。館内を見学し、ラ・ポエームを鑑賞した。オペラもさることながら劇場そのものも素晴らしかった。興奮冷めやらぬまま、近くのレストランで夕食。時間に終われあわただしく過ぎた一日もやっとこの時、ホッと出来た。この日、ローマは気温32℃と暑かった。

 次の日は日曜日。ローマでの悪夢は続いた。
 ヒールの高い靴で街を歩くのはつらい。暑いのに連日、同じ服を着ているのもつらい。二人共、着替えの服、下着、履物を求め、街中を歩く。ショーウインドーには服も靴もみえる。でも店は閉まっている。娘と私、お互いにイライラし、無言で歩く。疲れるとレストランのテラスで休む。この日は駅の近くで何とか最低限の必要な物を買うことが出来た。
 ホテルに戻りスーツケースは届いたかと聞くとNO。届いていない。次の日も届かない。とうとうローマに三泊している間に荷物は届かなかった。四日目ミラノへ。五日目、六日目とミラノでも明日着る物を買う毎日。何回も航空会社に問合せの電話をしても、はっきりしなかったスーツケースの行方。でも今朝はローマにあると言われた。六日目の夕方ホテルに戻りロビーで首を長ーくしているとやっと届いた。
 二個のスーツケースにはたらい廻しにされたため、何枚ものタグが付けられていた。次の日はイタリア最後の日。やっと落ち着いていない見物した。つかれたー。次の日オランダに戻った。

 アムスに戻ってからは家の近くの公園に行ったり、国立美術館やゴッホ美術館にも一人で出掛けた。
 また日帰りで、ライデン、フォーレンダム、アルクマール、ハーレムなど近くの町へドライブ。どこの町もお気に入りの町になった。
 今、夜10時を過ぎまで明るいオランダでは皆さん、家の前庭や公園で日光浴をしたり、バーベキューしたりと短い夏を楽しんでいます。そんな光景を見ている私もなんとなーく楽しい気分になります。何もしないで遊んでいる時はすぐに終わり。
 帰国の日、空港まで送ってくれた娘に礼を言い、今年の夏休みはハプニングがあっておもしろかったね、と笑って別れた。スキポール空港の出口審査の若い係官は、スタンプを押しながらニッコリ笑って、たどたどしい日本語で「マタ、キテクダサイ」と言った。私も笑顔で「thank you!!」と答えた。

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