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コラム おしゃべりコーナー - バックナンバー  

No.65 北東北〜お盆の時季の旅日記

姫 [2002/08/14]

 8月11日の夜に都心を離れ、東北道に乗って「盛岡IC」で降りた。12日の気温は17度で、小雨が降っている。半袖では寒い。日本全国、今日はこんな天気なのだろうか?と思ったが、ラジオから流れてくる甲子園球場の気温は、第一試合開始前にして30度で晴天。やはり東北は北にあるだけあって涼しいのだ、と実感。

 その後、岩手県から秋田県に入る。東北の小京都と呼ばれる「角館」(かくのだて)へは行かずに、日本一深い湖であることを初めて知った「田沢湖」(たざわこ)へ向かう。そのころ、雨は、どしゃぶりに変わっていた。これでは楽しみにしていた山登りはできそうもない。ハイキングすら勘弁してほしいほどのザーザー雨なのである。ただ、湖畔は霧に包まれて、雰囲気がある。湖には霧がよく似合う。田沢湖のシンボルといえば、辰子姫(たつこひめ)の像なのだそうである。金色の辰子という女の像が湖の中にあるのだが、へんてこな感じがした。伝説があるのはわかるのだが、金色の像というのがよくわからない。そのそばで稲庭うどんを食す。上品な味である。

 昼過ぎ、アテをつけていた乳頭温泉にある旅館に電話を一軒一軒かけたが、7つとも全て満室。日本の夏休み、それもお盆の時期を私達は侮っていた。しかしその後、十和田八幡平国立公園の中にある、八幡平(はちまんたい)の蒸けの湯(ふけのゆ)温泉の旅館がとれた。歴史は非常に古く300年前に発見されたそうだ。温泉水は白濁色で硫黄の臭いがする。なめてみると酸っぱい。温度調節はせず、源泉のままなので、日によって温度が違うそうだ。12日は雨の日だけあってぬ るかったが、熱がりの私には、それがまた良かった。近頃ニセ物の温泉が多いなか、これは本物だ!と思える湯なのが気に入った。内湯も、館内の露天風呂も、ゆっくり楽しめた。小雨の中の露天風呂も、またいい。

 次の日、秋田県の北部にある大館市へ行く。秋田犬発祥の地である大館市には、看板やマンホールなど、至る所に秋田犬が描かれている。もちろん秋田犬会館にも行った。が、想像以上に、しょぼい所だった。外につながれている一匹の秋田犬もさびしそうだった。子犬とかがいて遊べたら楽しいのに…。大館市の近くには比内町という町があり、比内鶏(ひないどり)で有名な町だ。秋田といえば「きりたんぽ」。比内鶏のきりたんぽ鍋が自慢の店が大館市には多い。が、13日。墓参りをする人が多い日だけあってか、どの店も休業していた。残念。

 大館市から車で15分ばかりのところにある、花岡温泉に向かう。ここは透明の湯。飲みやすい温泉水だった。一風呂浴びて、新聞を広げた。新聞で、北東北は連日の雨に泣かされていることがわかった。洪水の被害状況も数々あったという。また、青森県の中学生の野球大会は予定が大幅に狂ってしまい、秋田県が会場を提供したりもしたそうだ。雨のせいで日照時間も少なく、気温も低いので作物への影響も出そうだ、とのこと。今年の「あきたこまち」の収穫に影響がなければいいのだが。

 その後、青森県弘前市へ向かう。弘前城は思ったより小さかったが、お堀や庭園はすばらしかった。見事な枝垂桜(しだれざくら)の木々が植えられている。お花見の季節は、さぞかしきれいに咲くことだろう。城のそばは旧家の保存地区で、公開されている武家屋敷などもある。が、13日は休み。外から眺めるだけだった。だが、街並みは黒い門構えなど統一感があり、確かに風情がある。駐車場のおばちゃんは出かける前に「旧家の閉館時間に間に合うように急いで」と言っていた。13日が休みだということを知らなかったらしく、帰ってくると申し訳なさそうに誤ってくれた。私たちは雰囲気が楽しめたので十分だったが、「変な町なのよねー」と付け加えたので、笑えた。

 その後、宿泊するか帰宅するか迷った挙句、帰路に着く。小雨だった雨が、またどしゃぶりになる。ワイパーをフル活動で高速道路を飛ばすのは、しんどい。助手席の私は楽だが運転手は大変だったことだろう。おもしろいことに、宮城県に入ると雨も止み、気温が24度と表示される。秋田、青森では、昼間でも18度前後だったのに、移動するにしたがって雨は上がり、気温も上がっていくのがおもしろい。深夜に戻った都心部は、生ぬ るい風が吹き、帰宅後は思わずクーラーをつけてしまった。

 日本は本当に縦に長い国なんだなーと、しみじみ思った旅でした。

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