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コラム ふしぎ日本語 - バックナンバー  

第133回 ことば遊び

A.S.

 日本語の『ことば遊び』には、昔からずいぶん色々のものがある。なかでも『なぞなぞ』や『しりとり』などは子供のころ誰でもよく遊んだものだが、日本語を学ぶ外国の子供にも人気があるらしい。
 少し前のことだが、外国人小学生が日本語の授業に少し飽きてきて、ボランティアの先生に「先生、“動物のしりとり”をしよう。私から始める。ハイ、『さる』。」と言った。先生は「る…」と言いかけてそのまま詰ってしまった。先生「ねえ、動物でなくてもいいでしょ?」生徒「だめだめ。」と言って勝ち誇った様子だった。子供でもなかなか隅に置けない。

 最近自分の新しいメールアドレスを考えていたら、偶然ローマ字の短い回文ができた。
 例の「タケヤブヤケタ」というアレである。にわかに興味がわいてきて、いろいろな回文を調べてみた。まず、Webで「回文」を検索すると、一日では読み切れないほど出てくる。
 回文人口の底辺の広さが窺われる。駄作も多いが……。
 ものの本によると、すでに、江戸時代には盛んに行われていたらしい。よき初夢を祈り、宝船の絵に添えられている短歌、<長き夜のとをの眠りのみな目覚め波のり舟の音のよきかな>(清・濁音や「を」と「お」の仮名遣いなどは問わない)とか、<草の名は知らず珍し花の咲く>といった風流な味わい深いものから、<確かに貸した><わたし負けましたわ>といった庶民的なものまで、楽しみは尽きない。土屋耕一氏作<力士手で塩なめなおし、出て仕切り><酢豚つくりモリモリ食ったブス>などという傑作もある。スポーツのお好きな方には、<野茂のものは野茂のもの><いつまで待つか、勝つまで松井>などはいかがでしょう。

 回文には、「かな」だけでなく、漢字やローマ字もあり人名や地名で時々見かける。先日、女性アーティストの「一十三十一」(ひとみとい)さんが喉を痛めて当分活動を休止するという記事を見かけた。男性ヴォーカルグループのRATS&STARも回文だ。その気になって見てみると著名人の本名やペンネームにも結構見かける。昔、世田谷区に住んでいた時、衆議員候補者の宣伝カーのうぐいす嬢が「上から読んでも“おちみちお”、下から読んでも“おちみちお”」と声を張り上げていた記憶がある。地名では市川市や西葛西などはすぐ目につくが、赤坂(Akasaka)、網島(Amijima)などはローマ字で回文になっている。

 英語(Palindrome)の例を調べたら、こんなのがあった。エデンの園でアダムとイブが初対面の挨拶をした。
 イブ:<Eve>.
 アダム:<Madam, I’m Adam>.
アダムの自己紹介で、コンマとアポストロフィが入れ代わっているところが面白い。

以上


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