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コラム ふしぎ日本語 - バックナンバー  

第130回 促音のふしぎ

20世紀人

たとえば、「みんなの日本語」初級1の比較的若い章(一桁の章)の中から、促音(「っ」)を拾い上げてみると、

こう、いしょ、がこう、きぷ、けこん、などで、これをローマ字表記してみると、
KEKKOU,ISSHO,GAKKOU,KIPPU,KEKKONとなる。

促音の日本語表記が「っ」一色 であるのと対照的に、ローマ字表記では「っ」に当たるとおぼしき部分(KEKKOUではKの部分)は Kあり、Sあり、Pありとにぎやかだが、肝心のというか、「っ」に関係ありそうなTは、て形の「行ってきます」(ITTEKIMASU)の13課まで待たねばならない。
つまり、わたしが「っ」に近い発音だと信じて疑わなかった音(おと)は、国際標準に照らせばそうでなかったのかもしれない・・と思ったのは、実は、日本語のキー入力を練習中のSOHOを志す私の生徒からの質問がきっかけだった。

そもそも、「っ」に音(おと)はあるのか。なんども、「いって」とか「どっきり」とか言ってみての結論は、音(おと)はない。あるのは音を出す構えだけ。では、何の音を出す構えなのかと問われれば、この空白の零音(ぜろおん)の<直前でなくて>直後の音(おと)をだす口の構えではないか。もしそうだとすると、発音をより忠実に日本語表記に反映させるとすれば、「けっこう」は「けこう」、「いっしょ」は「いしょ」になるのかもしれないが、これでは、舌がよじれてしまいそう。

いくら頭をひねっても、わからないのは
どうして、音のない部分に小なりとはいえ、表音文字を当てはめることにしたのか。
さらに、なぜ、多様な無音の口構えの表記の代表選手に「っ」(「」でも「」でも「」でもなく)が選ばれたのか。

さらに、dog(ドッグ)、 cat(キャット)は促音か? (但し、原語で)

こんなに私を悩まし続ける促音だが、教育実践上はほとんど問題を感じたことはない。「けっこん」がいえない生徒はいないし、だれでも湯水のようにお金が「つかって」みたい。必要は成功の母・・・・・。

おあとがよろしいようで。

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