第123回 「々」
流れ星
「々」 このタイトルを皆さんは何と読みましたか? あるいは、「々」をパソコンで入力する場合、皆さんはどうしていますか? 私の日本語教師仲間が生徒から受けた質問が、「々」を調べるきっかけとなりました。
聞いてみると、「佐々木」と入力して、「々」の前後の文字を削除している人が多く(「我々」でも「多々」でもいいのでしょうが)、繰り返して読めばいいので単独でどう読むかを考えたことがない方が多いようでした。では、何と入力すると「々」がでてくるかというと、「同じ」、あるいは、「同」を音読みして、「どう」と入力すると出てきます。
ところが、この「々」は踊り字と呼ばれる記号(漢字一字の繰り返しのとき使用。呼び名は「同の字点」)の一つなので、漢字としての読み方はありません。ですので、漢和辞典に載ってない場合がほとんどですし、国語辞典によっては、表記説明に 「繰り返し記号「々」等は原則的に用いていない。」 と書いてあり、ほとんど使用されていません。しかし、印刷業界では、字の形からか「ノマ」と呼ばれているそうで、テレビの影響でその呼び方を知られるようになったそうですが、そのことを知らなかった私にもすぐに理解できるピッタリの「読み方」だと思いました。
漢字ではないこの「々」、とても便利な記号であることは間違いありません。喧々諤々、勇気凛々等、画数の多い漢字は、特に書きやすく読みやすくなります。以前、早稲田大学の斎藤佑樹投手が勝利した時、「斎藤佑々」という新聞の見出しがありましたが、「悠悠」でも「悠々」でも「佑佑」でもない、この気の利いた見出しに、私は引き付けられました。
「々」は記号なのに「佐々木」や「奈々子」等と姓名に使われていますが、これは、「々、ゝ、ゞ、−」の四種類に限り人名用記号として認められているためです。赤ちゃんの命名などで調べた方も多い姓名判断で「々」は何画で数えるかというと、流派により3画で数えたり、前の漢字の画数で数えたりするようです。幸せを願って付けた名前が二通りに解釈が出来るとは、姓名判断を信じる方には気になるところですが、いずれにせよ光り輝く未来でありますように。
では、漢字発祥の地、中国では、この繰り返し記号はどう扱われているのでしょう?中国人の友達に聞いてみたところ、中国では、手紙や手書きでノートをとったりする時には使いますが、新聞や正式な文書、日本と同じく辞書には「々」は使わないそうです。中国語は書き言葉と話し言葉が違う事が多く、話し言葉は重なる言葉が多いが、書き言葉にはあまり重なる言葉がないので、それが印刷物に「々」が使われない理由の一つかもしれないとのことでした。パソコンでも「々」が打ち出せないそうですが、新しい機種が次々と生産されるので、この便利な記号、近々パソコンでも打ち出せるようになるかもしれませんね。
最後まで「々」について読んでいただきまして、ありがとうございました。 謝々
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