第109回 漢字ゲーム 〜わたしが漢字を好きになったきっかけ〜
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「非漢字圏の学習者たちは漢字をどうやって覚えるのだろうか?さぞ日本語を学習するにあたっての鬼門となっているに違いない。」とは、日本語教師になる前までの先入観であった。
実際は思ったより興味深く熱心に学んでいる人が多いようだ。表意文字、つまり音を表すだけでなく文字そのものに意味もある。また、漢字の成り立ちも絵画的というのが魅力なのか?漢字が書かれたTシャツが外国人旅行者に人気のようだが、漢字はデザイン的にも’cool!’ということか。
かくいう漢字圏の日本人の私でも、以前香港へ行った時、地下鉄の中で小学校低学年ぐらいの子どもが漢字だらけの(当たり前だが)本を読んでいるのを見て「いつの間にどうやって覚えたんだろう?」と感心してしまった。きっと非漢字圏の日本語学習者たちも「日本人はどうやって漢字を覚えるのだろうか?」と思っているのではないだろうか?
さて、私の場合はどうだったろうか?
一般的に、日本の学校教育では、社会生活に必要とされる常用漢字2000字のうち小学校低学年で500字弱(1/4)、卒業するまでには総数1000字(1/2)ほど習うことになっている。
私はもともと漢字が好きで、遊び感覚で小学校入学前から自分や家族や友だちの名前を漢字で書いて喜んでいた。また、本が好きだったせいもあり、読みながら新しい漢字を覚えていくのがとても楽しかった。
が、そんな私がさらに漢字に興味を持つきっかけとなったのが、小学校2年の時、国語の授業でやった『漢字ゲーム』であった。その『漢字ゲーム』について紹介しよう。
1)生徒たちは事前準備として各部首ごとの漢字を調べられるだけ調べてくる。
2)クラスを半分に分ける。(1班と2班。各20名ほど。)
3)黒板も半分に分ける。(まん中に線を引く。)
4)審判の先生が黒板のまん中に、ある部首のカードを貼る。
5)その直後、先生より「よーい始め!」の合図。
6)下調べをしてきた生徒が前に出て黒板にその部首の漢字をひとつ書いていく。(誰でもOK。強制ではない。)
7)先生より「やめ」の合図。生徒たちは席に戻る。
8)先生が審査する。書かれた漢字がその部首に該当しているか?漢字が正確に書かれているか?書いた生徒が、ちゃんとその字を読めるか?
9)採点する。きちんと書けていたら1点。但し、8にひっかかる項目があったらマイナス1、同じ班に同じ字があったらそれもマイナス1。
事前準備の漢字の下調べは宿題ではなかったので、やってこなかった人はまったく参加できなかった。私もそれほど熱心にはやっていかなかった。が、この漢字ゲーム中に、織姫の『織』や警察の『警』、といった難しい漢字を覚えることができた。その他にも、部首の持つ意味をこういった形で確認でき、それ以来「もっともっとたくさん漢字を覚えたい。」という気持ちになったものだ。
今やパソコンが普及し、正確に覚えなくても「変換キー」を押すだけで、漢字に変換されるばかりか意味まで出てくるようになり、便利には便利である。それ以前は分厚い漢和辞典を部首或いは総画数から調べて、1つの漢字について調べるにも四苦八苦だった。それだけに覚えるのにも熱心だった。
今、私の漢和辞典は、本棚の奥でほこりをかぶっている、と思う。
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