第91回 ことばを育てる
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慌ただしい夏が過ぎ去りました。この夏地球学校はアメリカ・ドイツからの留学生を前期・後期に分けて受け入れ、授業を行いました。わたしもレッスンに関わる機会がありましたので、今回は、その中から感じたことを綴らせていただこうと思います。
動詞の活用もたどたどしい学習者が、文章を書くなんて難しい!ましてや作文なんて…という考えが通例の中、今回後期組は、日本で興味を持ったものについて、約4週間かけてテーマレポートを作成しました。
これは、会話や文法だけではなく、「文章を書く」という作業を通して「外国語を学ぶ」という名古屋外大の中島教授の言葉から発展させたものです。「文章作りは『書きたい』という気持ちを持たせることに成功しさえすれば、学習者(特に子供)の知的好奇心を高め、意欲を駆り立てる」のだそうです。まさに「書く力」を強めれば、同時に「話す力」も「読む力」も強まりますし、なによりホームステイ先とのコミュニケーション素材としても意味をなします。そして効率の良い学習方法の1つとも言えるのではないでしょうか。
前述の中島教授曰く、「書く指導」というのは、文型練習や穴埋め練習ではないそうです。子供であれば尚更、子供の体験を中心に据えて、語らせるという作業が大切だそう。ただ、書く意欲を駆り立てるには、黒板とノートだけでは効果的とはとてもいえません。異文化を体験するという事に意味があると思います。レアリアや絵、映像といったものを導入し、形式を工夫して変えていくことも必要で、多感な時期の学習者なら尚更でした。
「ことばを育てる」ということは、教師が行うものではなく、学習者が行うもの。日本語教師は、その一端を担っているにすぎないとは、よく言うもので、今回改めて感じました。使いたい表現を学習者は、枯れた大地に水が吸い込まれて行くが如く、見事に吸収していました。そして「自信」が蓄積されていったのです。
せっかく日本にいるのだから、自分が興味を持ったものについて何らかの形で触れて欲しいと始めたのですが、彼らは予想以上に積極的に情報を集めていました。その姿は4週間ながら、逞しく成長したと感じたほどです。まさに「ことばを育てる」ことを体験した姿でした。
追記:本当は「プロセスライティング」という「書く指導方法」を取りたかったのですが、そこまでの、わたしの技量と時間がなく、実行することが出来ず、残念でした。
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