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コラム ふしぎ日本語 - バックナンバー  

第70回 「さくら」のイメージ


小河千咲子

 4月といえば、桜。桜といえば花見をイメージしますよね。桜の開花時期が年々早くなって、花見をするにも今年は少し寒かったようです。花を観賞するだけの外国の方にとって日本人の花見といわれる、桜の下でお弁当を食べたり、お酒を飲んだり、カラオケをしたり、無礼講のドンちゃん騒ぎをしたりといったものは、とても珍しく映っているようです。
花見はいつ頃から始まったのでしょう。
 花見の歴史は古く平安時代にさかのぼります。古代人達は山に咲く桜の咲き具合によってその年の稲の収穫を占い、花が美しく咲くことを願って、春の一日を桜の花の下で、お酒を飲みながら楽しく過ごしたといわれています。
また、桜といえば春。春といえば新学期。日本の新学期は4月です。欧米の国々の新学期が夏休み後の9月からなのに比べ、4月からというのは世界の中でも珍しくわずか5カ国だけだそうです。  私の記憶の中にも入学式といえば満開の桜があります。新学期、新年度の期待と不安な気持ちを思い出します。ですから、桜といえば「新しいスタート」のイメージです。
 新しい出発を祝福するかのように咲いている満開の桜。その桜が花吹雪となって舞い散る姿に感動した方も多いのではないでしょうか。
アメリカ人のJさんが「桜は潔いところが侍に似ている。」と言っていました。日本文化に興味をもっている彼にとって、惜しげもなく散っていく姿が、侍に思えたのでしょう。
 このように、ことばから受けるイメージは人によりさまざまです。そしてそのイメージは歴史や文化に大いに関係しているようです。同じ文化の人達の中では共通したイメージでも、異なった文化を持つ人達の中では、思いもつかないようなイメージになることもあるでしょう。そしてそのイメージの背景を知ることが歴史や文化を知ることにもなるのではないでしょうか。
 うららかな春の日差しの中、葉桜になってしまった木を眺めながら思いをめぐらせました。

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