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コラム ふしぎ日本語 - バックナンバー  

第55回 カナ文字のほめことば


クルンテープ

 日本人は人をほめることを苦手としている人は多いのではないかと思います。特に年輩の男性は人をほめることや、誉められることにに慣れてないのではないでしょうか。
 若い女性は何かにつけ「カッワイー」の一言ですべてすましてしまっている。「おじさんカワイイ」と言われたおじさんはどぎまぎしながら、チョット日本語の使い方が違っているんじゃないかと考え込んでしまう。  欧米人は人を誉める習慣が生活の中にとけ込んでいるようだ。スーパーのレジ係がお客さんのネックレスを誉めている光景を見かけた。こんな事は日常茶飯事のようだ。

 人の外見を形容するときカナ文字を使うことも多い。カナ文字を使うことで何となくハイカラな高級感を感じる国民性と、ある面では直接表現するのはなんとなく恥ずかしいと言う一種の「照れ」もあって外国語を使っているのではないかと思われる。
独語から来ているシャン(美人:もはや死語にちかいか)、仏語のシックなどもあるが、やはり英語から借用した言葉が多いようだ。

・ 彼はダンディだしハンサムでスタイルもいいし、いつもスマートないでたちで
 ジェントルマン然としているナイスミドルだ。
・ 彼女はプロポーション抜群のグラマーでエキゾチックな顔立ちをした
 コケティシュな美人だ。
・ ファニーフェイスの彼女はスリムでスレンダーだし、エレガントでキュートな女性だ。
ちなみにこれらのカナ文字は広辞苑にものっている。

 英語圏の人が日本語を勉強する場合カナ文字を苦手とする人は多いようだ。先ず母国語と発音が違うのでカタカナを読んで発音しても、もとの英語にたどりつくのに時間がかかる。英語だと後でも釈然としない顔つきで、二度目に発音したときにはその発音は母国語になってしまう。カタカナ語は英語ではなくて、日本語だと理解して貰うしかない。特に専門用語は英語をそのままカタカナに置き換えて使う場合が多いので、かえって混乱をまねく事も多いようだ。

 もっとも別な経験もある。英語が母国語ではないが英語にたんのうな生徒さんは、カタカナを最初に覚えた。彼は子持ちのお父さんで、スーパーに行くと商品を手に一生懸命にカタカナを読んで英語を連想し、商品の中身を推測するわけである。こちらはスキムミルクが入っているらしいから子供にはこちらの商品の方がいいだろう、と言った具合に。生活密着型の語学学習は効果的だと感心した。

英語の本来の意味と日本語の意味が違っているときも学習者に混乱を招くだろう。
上の例でナイスミドルは和製英語。スマート(英語では細身の意味には用いない)、スタイル(英語では体型には用いない)には英語とカナ文字の間に意味の違いがあるようだ。
英語圏の学習者にとってカナ文字にはとまどいが多いことだろう。

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